アトピーを悪化させない洗顔と保湿剤の選び方と注意点

化粧品が合わないだけでアトピーが悪化

アトピーでお悩みの方は、化粧品をお選びになられるときに、大変苦労されていると思います。症状にもよりますが、アトピーの方の場合、化粧品が合わないだけでアトピーの症状が悪化します。そのため、自分の肌に合っている化粧品を見つけて長期的に使うのは非常に難しいようです。

アトピー肌は、皮脂の分泌が少なく肌が乾燥して、肌バリア機能が低下しているために、外部刺激に敏感です。そして、炎症が起こりやすく、痒みを伴う発疹ができます。

洗いすぎがアトピーを悪化させている

肌が乾燥しているアトピー肌は、洗いすぎないことが大切です。洗いすぎると、肌本来の潤い成分までなくなってしまいますので、洗浄力や脱脂力が強いクレンジングや石鹸は避けて下さい。アトピーケアに関しては、化学合成された界面活性剤は皮膚から浸透するから悪く、天然の界面活性剤である無添加石鹸のみが安全だという説もありますが、無添加石鹸や純石鹸の洗浄力はそのイメージとは裏腹に非常に強いものです。「皮膚から浸透する」、「肌バリアを破壊する」などというのは、界面活性剤が合成か天然かということが問題ではなく、洗浄力の強さや脱脂力の強さが問題なのです。

肌バリアは、肌が分泌している皮脂やセラミドから構成されていますから、合成であろうと天然であろうと洗浄力の強い石鹸や洗顔料なら皮脂やセラミドは根こそぎ洗い流されてしまい、肌バリアが壊れた状態になります。

洗浄力の強さは以下の順になります。
石油系合成界面活性剤 ＞ 純石鹸 ＞ 植物性合成界面活性剤

洗顔はマイルド、保湿は皮脂構造と似た馬油

アトピー肌の方がクレンジングや洗顔フォームをお探しの際には、最も洗浄力がマイルドな植物性界面活性剤配合のクレンジングや洗顔フォームをおすすめします。

肌は弱酸性です。しかし、全てのクレンジング、洗顔フォーム、石鹸が弱酸性ではありません。特に石鹸はアルカリ性のものが多いです。肌が健康な時はアルカリ性の石鹸で顔を洗っても自分自身の肌の力で弱酸性に戻すことはできます。しかし、アトピー肌は、石鹸洗顔して、アルカリ性になった肌を弱酸性に戻すのに時間がかかりますので、植物性の界面活性剤配合で、且つ弱酸性のクレンジングや洗顔フォームをお選び下さい。

そして、アトピーの保湿として有名なワセリンは石油由来の鉱物油です。皮脂の分泌が少ないアトピー肌の皮脂の代わりの油分としての鉱物油は皮脂とは構造が違います。アトピー肌の保湿としては、皮脂の構造と似た馬油などを配合したものがお薦めです。