地中海沿岸地方が原産で、日本には明治時代に苗木が入ってきました。古代ギリシャのオリンピックの勝者や功績のあった者に枝葉を贈るのは大変有名です。
葉の芳香は料理に製菓に賦香料としてすでにローレル葉と称し親しみの深いもので、西洋料理には欠かせない香料です。同時に薬用にもなります。果実は脂肪油、精油を含み、芳香性の苦味質もあり薬用になります。生育上は乾きすぎる砂土や異常に堅い粘度地を除けば、どんな土壌にもよく生育します。日当たりが良く、寒い風の当たらないところを好みます。
葉は水蒸気蒸留法によって月桂油が採れます。月桂油はシネオール、ネイゲノール、ピネン、テルピネン、ゲラニオール、セキステルペンなどを含み、この油を塗布すると、リューマチ、神経痛、腫れ物などによく効き、発毛剤としても認められています。民間では浴湯料として葉200〜300gを風呂に入れて入浴すると、神経痛などに良いと愛用されます。
葉の芳香は肉料理、漬物、ソースなどの賦香料に用いますから、家庭に1本は植えて日常の料理に利用するのも楽しいです。ニンニクのような強い臭いも、この葉の匂いで矯正できますからニンニク酒にこの葉を入れるのも1つの方法です。イギリスでは昔、この根を肝臓病、脾臓病、肺結核、疫病、毒虫刺傷などに用いたそうです。
【薬用部分】
葉、果実。
【採取時期】
葉は8〜9月。果実は秋。
利用部は葉と果実で、葉は8月中に採って汚れを水洗いし、風通しの良い所で陰干しします。果実は秋に成熟したものを採って陰干しします。
【用法】
果実は芳香腱胃薬として、1日量1gを温湯100ccに混和1日3回服用。葉は皮膚病薬として月桂樹を患部に塗ります。葉を浴料に用いると、体が温まり、神経痛、冷え性に効きます。
50種類近くの薬草や食品が配合されている美杏香ハーミットパウダーは、体内毒素を排泄してくれます。
|