キキョウ科の代表的な植物で、日本各地の山野、低山にたくさん自生していますが、栽培もされている多年草です。日当たりの良い草地に紫色の花をつけます。花は生け花に生けられますが、薬用はもっぱら根を利用します。根は太くゴボウ状で、茎を傷つけると白乳液を出します。薬用には花色や咲き方に関係なく一様に利用されますが、根の生育がよく、調製品の出来上がりのよいものは晩生種で、栽培には主にこの系統のものを用います。
桔梗根は痰切り、排膿の要薬で、風邪や気管支炎、扁桃腺炎、化膿性気管支炎、咽喉の痛みなどに桔梗根5g、甘草10gを1日量として3回煎用します。また扁桃腺炎や咽喉の痛みには煎じ出した汁で、何回もうがいをすると痛みが消えます。濃厚な汁は飲まないよう注意して下さい。
【薬用部分】
根。
春先のキキョウの若芽は、甘い山菜として知られています。薬用には根を用いますが、古い根はよくありません。実生苗の3〜4年生が最も良い原料となります。
【採取時期】
6月または秋。
薬用の栽培は、春4月頃に種子をまいて肥培し、厚いところを間引きします。2年目の6月ごろに収穫すると、形のよい桔梗根が得られます。
【用法】
1日約2〜3gを煎服します。去痰、せき、気管支炎、咽喉炎、化膿症などに処方されます。うるしかぶれに茎葉の汁を絞って塗るのも効果的です。若葉は軽く茹であえものに、新鮮な根は漬物に使われます。
50種類近くの薬草や食品が配合されている美杏香ハーミットパウダーは、体内毒素を排泄してくれます。

|