北海道から本州、四国、九州の全土にわたって分布する多年草で、草地や疎林地帯の日当たりの良い場所によく生えています。7〜8月ごろに茎頂に、五弁黄色の花が集まって咲き、あとに果実がつきます。この仲間にはシナノオトギリソウ、イワオトギリソウなどがあって、どれも薬用になります。この他、ヨーロッパ産のセイヨウオトギリソウ、トモエソウなどがあり、どれも性状強健で、種子はたくさんできて、よく発芽します。
漢方ではショウレンギョウを煎じた汁を、切り傷、打撲傷の洗い薬にしたり、また咽喉の痛みに煎じて用います。民間では生薬を揉んだ汁を切り傷や打撲傷によく効くとして用います。もう1つ切り傷、打撲傷の妙薬として伝わるのは、ナタネ油にこの薬を刻んで、つけ置き、その油を傷に塗布して用いる方法です。この方法は切り傷ばかりでなく、腫れ物に塗布しても治りが早いといいます。
オトギリソウは、葉を透かして見ると、黒色の暗点と明るい明斑となって腺点が散在しています。弟切草(オトギリソウ)とは、昔、鳥の傷の秘薬であったこの草を口外したのを責め、謝罪する弟を切り捨てたという故事にちなんで命名されました。
【薬用部分】
果実の熟した全草。
【採取時期】
夏〜秋。
採取は概ね開花が終わったころ(8月上旬〜下旬)に根元から刈り取り、日陰で風邪干しします。この乾燥品を生薬のショウレンギョウと呼びます。紙袋などに詰めて乾燥したところに貯蔵しておき、随時用います。
【用法】
焼酎につけて薬酒、袋に詰めて浴湯料。生葉をもんで切り傷、虫刺されに外用する。疝気と呼ばれる胃腸の急激なさし込み、むくみには、1日量10gを服用します。
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