古くから中国より渡来した品種と日本に自生する種類があります。薬用としては、どの種も同じに用いられており、いずれも根の内皮を剥がし乾燥したものを桑白皮と呼びます。利尿および緩下薬的作用があり、また血圧降下剤として用いられています。桑の箸を常用すると中風を予防すると言われるのもこのような理由からだと思われます。
薬用の本来のクワは自生種でヤマグワと呼ぶものですが、改良された栽培種も自生種同様に利用できます。クワ属の果実は食用に、葉は養蚕用に、または薬用に、材は家具基材用に、枝条は生け花材料に、樹は造園用に、根皮、果実は薬用に利用される価値の多い植物ですが、意外に利用されていないのは本当に惜しいことです。
葉はビタミンの多い栄養食で若い軟らかいものは食用できますが、成葉の乾燥品はこれを適度の粉末にしてフライパンで炒り、お茶にして毎日長く続けて飲むと中気の予防になります。果実は乾燥させて滋養強壮に煎用しても良いです。
【薬用部分】
根皮、葉。
【採取時期】
6〜7月。
葉を採るには夏の最も葉が厚く充実したものを摘みとり1枚ずつ並べて陰干しします。果実も夏、成熟したものを採って薄く広げ日干します。また生果のまま焼酎につけて薬用酒とします。
【用法】
茶剤として高血圧症、動脈硬化、強壮に用います。消炎、利尿、咳止めには、根皮(桑白皮)5〜10gを水400ccで煎じ、1日3回温服します。
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