センブリは、「1000回振り出してもまだ苦い」ところから命名された、まさに苦味薬草のチャンピオンです。振り出す、とは袋に入れて湯に浸し、振って動かし薬気を出すことです。酒の飲みすぎのような急性の胃炎に用いられます。
きわめて小粒の種子がたくさんでき、成熟するとこぼれて翌年発芽して根生葉状態で一年目は終わり、二年目春発芽後、まもなく茎立ちして夏から秋に生長し、まばらに枝をつけ茎頂に花を開きます。群生状に自生しますが、どこでも乱採の結果激減しています。
開花期の全草を採って乾燥したものが生薬の当薬と呼ばれるものです。当薬は代表的な和薬(日本本来の生薬)で、漢薬ではありません。
センブリの仲間にはイヌセンブリと呼ぶ草丈15〜30cmに達する白花のものがありますが、苦味がなく使用されません。またムラサキセンブリも草丈30〜50cmにもなる茎も花も紫色のものがありますが、これも苦味はほとんどなく薬用になりません。
【薬用部分】
全草。
【採取時期】
開花期の10月末〜11月。
採取は開花期に全草を抜き採り、水洗いせず、土を落としただけで根元をそろえ、糸で編んで吊るして陰干しします。茎が簡単に折れる程度まで干して袋に入れ保存します。
【用法】
胃痙攣などの急性胃痛、慢性肝炎に効果的です。二日酔いの予防として飲酒30分前に飲む方法もあります。
消化不良、食欲不振には全草0.3〜1.5gを熱湯で30分ほど振り出して飲用する。ふけ、はげ、抜け毛にアルコール浸液を塗ると良い。煎汁を洗眼剤として用いると結膜炎によく効くといわれています。
センブリは良薬でも体質によって用量を加減します。一般に、虚弱体質といわれる人は体を冷やす危険がありますから、標準量の半分以下を用います。
市販のリンスは髪や頭皮をコーティングし抜け毛や白髪の原因とはなります。美杏香リンスは頭皮をコーティングしたり、毛穴のつまされないので安心です。美杏香リンスには、センブリが配合されています。
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