ツワブキは、よく知られている民間薬で、多くの場合この生薬を採ってそのまま用います。幸い、この葉は常緑でいつでも青いものを採ることができるので、採取期や調整法を気にすることはありませんが、乾葉を煎用することもありますから、そのときは夏に成葉を摘みとり日干しして保存し随時用います。春先のやわらかい葉柄を食べると一切の毒、特に魚毒を消すといわれています。
最もよく知られているのは、魚の中毒、食あたりの催吐剤として用いることです。植物を吐き出して治ります。腫れ物には生葉を火であぶり軟らかくなったらもんで患部に貼ります。時々取り替えると早く膿が出て治ります。火傷、打撲傷、凍傷にも生葉絞り汁を患部につけるか、生葉を火であぶった軟らかいものを貼ると驚くほどよく効くものです。
痔には茎葉を煎じ温湯で患部を洗います。同時に煎汁を飲むと便を軟らくし、痛みを取るといわれています。
生葉を煎じたものを飲むと、吐き気を催すことがありますから、そのときは乾葉を用いてください。生葉の絞り汁は、皮膚病のいんきん、たむしやその他、虫に刺された場合につけてもよく効きます。
日本では新潟県柏崎と福島県平付近以南の両海岸地帯に見られます。土地の乾きすぎと夏の強い日差しが直接あたることを好まず、半陰地や樹下の弱光線の下で育ちます。繁殖は9〜10月ごろに株分けでします。
【薬用部分】
葉、茎。
【採集時期】
夏。
【用法】
天日乾燥したものを煎服すれば、魚中毒、下痢に効きます。厚い葉はドクダミ同様の作用があり、しもやけ、虫刺されに外用する。生葉をあぶって柔らかくしたものを患部に貼ると、湿疹、腰痛の炎症を抑え、痛みを和らげます。
いんきん、たむしなど皮膚疾患に効果のあるつわぶきは、美杏香浴用ハーミットに配合されています。
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